Daily Sketch with...

ロードバイク、スキー、キャンプ、写真が好きなオッサンブログです。家族で楽しんでます。

神聖かつ心静かな夜〜「ツール・ド・大山」中止

昨夜から、「ツール・ド・大山」参加のため大山へ出向いていた。
19時前にショップに集合。店長のバンにバイクを6台詰め込むなど、準備をして、20時過ぎにショップを出て大山へ向かった。

約2時間半ちょっとのこの旅、私は車に VDLENO RN を積んでの一人旅であった。店長はバンの運転で、参加者の一人が同乗。同僚Mくんも自分のバイクを積んでの一人旅となった。

私にとって、このような形での深夜に及ぶ一人旅(単独ドライブ)は久しぶりであった。数年ぶり、いや10年ぶりくらいになるのではないだろうか。結婚、そして娘ちゃんの出産以来、いつもは相方ちゃんや娘ちゃんが同乗での旅になる。
向かうところはパワースポットとしても知られ、神秘的な雰囲気と存在感を放つ「大山」である。そんな雰囲気にやられたのか、いつもとは違った、神聖かつ清らかな思考を巡らせる旅となった。

思い巡らせたことは、家族のこと、残りの人生のこと、これまでに関わりがあり、お世話になった方々のこと、故郷のこと。出身地が松江である私はこの大山には色々な機会で訪れている。その時々に一緒だった面々を思いだし、それらの頃の生き方と、今の生き方、そしてこれからの生き方についてなど、神妙に考え込んでしまっていた。

BGMは徳永英明・・・。

そうこうしている間に、眠気をもよおす間もなく、23時前には到着した。心洗われるドライブとなった。
しかしその神妙な心持ちも長くは続かず、その後展開した夜営装備の中、繰り広げられた宴会で俗物に戻ってしまうことになる。

しばらくして到着した店長たちと、セッティングを済ませ、とりあえず夜食と共に飲み会に入った。

そして更に5名が合流。合計9名でしばし談笑した。26時を回った頃、やっと眠りについた。

朝。思いの外早く5時半には目が覚めてしまった。しばらくテント内でゆっくり過ごした後、6時に活動開始。天気が気になるが、大山はまだはっきりと見える。

受付は8時から9時の間。スタートは10時からとなる。しばらく時間があるな、とは思ったものの、天候の心配もあり、撤収が素早くできるように動いていると案外すぐに時間が経っていった。
実際、朝食を済ませコーヒーを楽しんでいると雨もパラパラとしはじめた。それでもまだ走れそうなくらいの降雨で、しばらくすると止んだ。

その後天候を気にしながら、撤収。
受け付け時間には受付をしてきた。

受け付け後も天候を気にし、走る準備は後回しにして撤収の仕上げを優先させた。ここで小雨がパラツキ始める。今度のは長そうな感じ。それでもまだ走れるであろう路面状況。このままの振り方であればスタートできるのではないかと思われた。

この時点で、テンションは上がってきており、早くスタートしたい気分が盛り上がってくる。様子見をしてまだ準備していなかった、バイクも車から出し、ゼッケンをつけてタイヤの空気圧を調整。はずしていたフロントタイヤをつけた。
その時であった。パラパラだった雨が強まった。大山の見え方もさっきとはうって変わって、雲におおわれた形になり、輪郭線ははっきりとしない。路面に跳ねる雨粒もはっきりと見てとれる。そしてみるみるうちに路面は色を変え、濡れ色にテカっていった。

ここで、心は折れた。基本バイクを汚したくないというのもあるし、こんな雨の中でまで走るのは・・・。という考えのもと、DNSの決断をした。

他のメンバーは、すでに濡れているし、一度盛り上がった気分はなかなか覚めない。走る決断をして準備を続けた。
そんな中、私はサポートとして車で様子を見ながら回ることにした。

そのための準備としてコース確認や、連絡先の交換などを終え、みんなが苦しい旅に出る準備を続ける姿を応援している頃、「中止」という言葉がメンバーの一人の耳に止まった。
「え?」
全員が固唾を飲んで本部放送に耳を傾ける。

「申し訳ないのですが、・・・・・中止とさせていただきます。雨は強まっており・・・・・、霧も出て・・・・・」

みんなで顔を見合わせた。

ほころぶ顔も見える。
大会が開催される以上参加したいとは思いつつ、雨と低温の中での走行に不安を抱えていたメンバーも多かったのだと思う。 大会が中止となったのなら仕方ない。一足先に決断をしてしまっていた私も、なぜだかホッとしてしまった。

その後はそそくさと撤収し、帰りに温泉に寄って帰路についた。

今回の旅、メインの「ツール・ド・大山」は中止となってしまったが、私にとってはとても有意義なものとなった。

まずは、神聖、そして神妙な夜のドライブ。そして、大がかりではないが、野趣溢れる夜営、そして宴会。そして、自転車繋がりでのグループ行動。いつもなら単独が多かったが、仕事とか関係なく趣味で集える場の素晴らしさを、キャンプ仲間に加えてもうひとつ別に持つことのできる幸せを感じることができた。
それらだけで、100%満足できるものであった。もし、「ツール・ド・大山」が好天のもと、無事開催されたなら、その満足度が200%になっていただろう。200%の満足感は来年に持ち越すことにする。

シーズンはまだ始まったばかり。こんな機会は今後もいくつかはあるだろう。初めてのイベント参加は果たせなかったが、また近々別の機会を探してみようと思う。


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