たけべの森（三）

「日暮れ前１」

「日暮れ前２」
　ホテルのフロント前のロビーには大きな窓があり、中庭が見渡せます。建物の外と中の明るさが調和してきたこの頃、きれいに磨かれた窓越しに、外の景色と屋内の景色が溶け合わさります。どちらが外の風景でどちらが屋内の景色なのか？　虚、実を織り交ぜた不思議な感覚を味わえる時間帯です。

「灯り」
　日も暮れかけ、外の闇が深くなっていく中、やはり安心感をもたらしてくれるのは「灯り」。灯りはその目的に合わせて使い分けられるもの。ほんのり明るいホテルの灯りにはとても癒されました。このホテルから車で３０分ほどの「岡山乗馬倶楽部」付近では夜、星明かりの邪魔にならないようにと、街頭はないのだとか。「星明り」という選択肢もその目的に合わせた灯りの一つ。必要以上に明るくしないシンプルな明かりの中で過ごせるひとときを大切にしたいものです。

「足音」
　夕食の後、ちょっと散歩へ。とはいっても敷地の中。エントランスからホテルの建物の中への廊下をぐるりとひと回りしてみました。夜になってみるとひっそりと静まり返ったこの廊下。人の行き来のない石畳をフットランプが遠慮がちに照らします。そのマチエールからは、その上を行き交う人の足音が聞こえてきそうです。水の流れ
　

「涼」
　昼間、明るく陽気に出迎えてくれた中庭も、夜はライトアップされ、しっとりと穏やかなたたずまいに。つややかな水面に涼しさも感じます。