④最後の聖戦?そしてセンチュリー達成!(20130929しまなみ)
前の週に続くロングライド。神辺のショップ発で伯方島を折り返した帰り道。下手な水分補給の仕方で胃腸をやられ、疲労もこれまでにない感じで蓄積していた。
満身創痍の状態で、少しずつ日も傾きはじめるころ、因島大橋を渡りながら考えたのは帰宅の時間のこと。
前日の夜、相方ちゃんとこんな会話をした。
相方ちゃん:「試合会場には乗せてってもらうけえ、迎えは頼める?」
私:「時間はどれくらいになりそう?」
相方ちゃん:「勝ち上がれば結構遅くなるんだけど、実際のところわからん」
つまり、遅くならないよう準備して待機しとけとの命令が出ていたことになる。しかし、時間帯がわからない以上、いつを目標にすればいいかわからない。かといって前週の世羅ツーリングで遅くなり怒られているので反論もできず、「う、うん・・・」とあいまいな返事しかできなかった。
因島大橋を渡る頃、時間的には相方ちゃんが言う「待機命令」の時間帯に入ろうとしているくらいか・・・。幸いまだ電話はかかってきていない。かかってきてもどうしようもないのではあるが・・・。電話を気にしつつも、勝ち上がってくれるのを祈るしかなかった。
こんなことを考えながら、向島に上陸した。
帰りの向島あたりで、前週の世羅ツーリングでご一緒したN田さんが合流できるかも、という情報があったので、途中、N田さんの様子をうかがうため、休憩を兼ねて停車した。しかし、N田さんはどうやら尾道を折り返しゆっくり帰宅の途に就こうとしているらしかった。私たちが帰る方向と同じ方向なので、ひょっとすると追いつくかもという期待をもって、再度出発する準備を始めた。すると、単独で私たちと同じ方向へ向かう一台のロードバイクが目の前を走り去っていった。
疲れもたまり、ただ漫然と走るだけでなく、何かのイベント、もしくは目標が欲しい時間帯に差し掛かっていた。もうしばらく準備に時間を費やして出発。次の先頭を牽くのは私の番。出発後、なんとなく前のローディーに追いつきたい衝動に駆られた。疲れてはいたがそれを目標に速度を上げた。ジワジワと・・・。
いくつかの海岸線のコーナーを抜けるたびに前のローディーの姿を探したが、しばらくは見えなかった。やがてその小さな後ろ姿を、はるか前方にとらえた。距離は少しずつ縮まっていく。そして20秒差くらいかな、というところでその前方に工事中片側通行の赤信号。
「ここで追いついちゃうのか~、きまずいな」と思いながら減速しながら距離を詰めていると、それは起こった。前走のローディー、いったん減速はしながらもその赤信号を無視して走って行ってしまったのである。もちろん対向車は来ていないが、だからといって赤信号を無視していいわけではない。
私たちはもちろん待った。表示された時間は1分ちょい。そしてひらめいた。
「Yくん、前の人追うよ! アシストとして牽くから近づいたら発射して抜いちゃって!」
「えぇ~!?、一分以上差がありますよ!」
ちょっと強引に話を持っていき、信号が青に変わると同時に加速した。それまでよりもさらに高めの巡航速度で「追い」に入った。
もちろんすぐには姿は見えない。そろそろ?と思いながら前を探すも、まだ・・・。ひょっとしたら追いつけないかもしれない、という思いも持ち始め、それでも「行けるところまで・・・」という思いで走り続けた。
もう少しで街中に入ろうかというちょっと手前。なかなか姿をとらえることができないで、少し焦りを感じ始めた頃、後ろからYくんの声が。
「見えた!」
見えにくいが確かに前方遠くにターゲットの姿が見えた。俄然気分が高揚してくる。速度を維持して(加速はホント無理!)追走を続ける。150m位のところまで迫ったころ、再度後ろからYくんの声。
「もう少しですね、後ろも車来てません、チャンスです!」
・・・て、アンタ結構ノリノリじゃん!
その後さらに距離を詰め、20mを切った頃、
「行きます!」という声とともにYくんが飛び出した。発射して加速していく。私との差もどんどん開いていく。Yくんはすぐに前のローディーに並んで抜き去っていった。続いてちぎれた私も、ゆっくりとそのローディーに並んで「おつかれさまです」とさわやかに声をかけて抜きさった。まあ、抜き去ったというにはヘロヘロすぎたが。
しばらくして速度を落としたYくんに合流して渡船へ向かった。
「まさか、この終盤の消耗具合で40km/h以上まで出せるとは!」と少々興奮気味のYくん。最後の発射でそこまで速度を上げていたのか、と私も驚いた。
なんていうお遊びを交え、さらに疲労をため込んでしまった後、無事に尾道に上陸。
その後は黙々とショップへ向かうのみであった。ハンガーノックに陥りかけたYくんはコンビニ補給。そしてN田さんにも結局追いつけずという形になってしまったが、何とか無事ショップへ到着した。
相方ちゃんからの電話は結局なかった。無事決勝あたりまで行き遅くなっているのだろうと私もショップまで一緒に戻った。
そしてお互い燃え尽きました。
ここまでの走行距離170km。この後の帰宅でプラス10km。計180kmを走ることになった。気づいてみれば160kmオーバーのセンチュリー・ライド達成である。お初!
初めてとなるセンチュリー・ライドはこうやって幕を静かにおろした。
帰宅後シャワーを浴び、心地よい疲労感と達成感に浸りながら、相方ちゃんたちのチームの「祝勝会」に合流。良いお酒をいただきました。
一緒に走ってくれたYくん。お疲れ様でした。ひとりでこの距離を走るには苦しかったと思います。またご一緒できるのを楽しみにしてます。