AERONOVA と Q-RINGS でお代わり自由の usual ride with C35(1)
その日のテーマは
- AERONOVAを実走で味わう
- Q-RINGSを普段の走りの中で味わう
- C35(11-28スプロケ)を上りで味わう
- 休憩なしの車上生活をする
- ケイデンスよりも重めのギアを踏むの重視
- 坂を練習する
1.朝練へスタート~まずはひと山
出発は朝6時過ぎ。コーヒーを一杯飲んで、途中必要となるであろう、水分と補給食をバックポケットに忍ばせて出かけた。
機材は、cervelo S5に、C35を履かせた。もちろん最近導入のQ-RINGS、AERONOVAはそのままである。
その日は時間も3時間足らずしかなかったので、その中で負荷もそこそこかけられるようにと、上りを多く取り入れることにした。基本は御調へ向かい、松永を抜けて帰ってくるいつものコース。ただその途中で上りを挟んでいき、帰りには時間と体力と相談して上りをいくつか加えられるコース。出発時には最終的にどんなルートになるのかわからない、そんなはじまりとなった。
出発直後はまだ肌寒かった。下はハーフのレーパン。上は半袖ジャージにアーム・ウォーマーという軽装。ここのところの昼間の暖かさが頭に刷り込まれていたためこんな格好で出かけてしまったが、これは失敗だった。風邪ひくかと思った。それでも日がさせば暖かくなるだろうと期待してそのまま石原トンネルまで走った。
この日の直近一週間は、体調も中途半端でなんとなく疲れが真に残ったままだったので、思い切ってローラー練すらキャンセルしていた。体力落ちてるかもな、と思いながらだったが、体力の落ち込みよりも疲れが抜けた効果の方が大きかったようで、思ったよりも快適なスタートだった。
石原トンネル出口から芦田川沿いを御調に向かうのがいつものコース。しかし「上り」がテーマなので、ちょっとコースがそれる。石原トンネルを下った交差点を左折し、芦田川沿いに出てからすぐ、動物園方面へ進路をとった。ここから府中松永線へぶち当たるまで走るのだが、適度なアップダウンがあり、いいウォーミング・アップになる。
そういえば、今回はVECTORつけてからはじめてに近い状態で坂を上る。これまでの実走でも坂はあったが、負荷を見ながら上るよりも、とりあえず上って後でデータを見るという感じだった。今回は心拍と出力、パワーゾーンを見て、ペースを考えながら上げていこうと考えていた。こうしてみると、先の冬のバイク購入からいくつかのパーツを装着してからのライドとしては、初めてではないものの、いわゆる日常的な実走による練習としてはお初に近い感じのモノは多かった。
ただ、この区間は上り下の繰り返しで、上りも短いので勢いで行けてしまう部分もある。なのでここはいつもの感覚で。時折出力を確認してみると、ローラーでだとキツイ印象を持ってしまうパワー・ゾーンがキープできている。ローラーと実走の違いなのだろう。それでも先は長いので「抑え気味に」というのを意識して府中松永線までたどり着いた。
ここで右折して府中松永線を府中へ下り、そこからいつものコースで御調に向かう予定にしていた。しかし、そういえばまっすぐ行けば「上り」があり、ひと峠越えるよなと思い当たった。その日のテーマもあったのでその上りに吸い込まれるように直進していった。
ここは車では走ったことはあるが、バイクで上るのははじめて。そんなわけで参照タイムもあるわけではない。ここは無理せず淡々と上るのを目標にして脚を回し続けた。
この峠を越える頃には、身体も温まってきた。ちょっと安心したのだったが、やっぱり下りに入ると、寒い。手の指先も凍えてしまった。それでも下りきって、R486に出ると落ち着いた。
そこからは御調まで、FTP行くか行かないかをめどにペダルを回した。それにしても実走で目標出力付近を維持するのって難しいわ。
ところで、いつもの走る道に出てからも、なんだか体力的にはいい感じ。完全休養のウィーク・デイが効いているようだった。ただ、実際いつものようなスピードの出し方になっていないだけかもしれない。ガーミンの表示に速度は入れていないからわからないけど。
こんな感じでなんとなく昨年の同時期とは違って、幾分余力を残しながら御調に到着。休憩はもちろん取らない。そのままR184へ左折し、ヒルクライムに突入した。
2.いつものコースで今シーズンの出来を確認
この峠はいつもタイムは計っているルート。
昨年の同時期には、直前の冬の乗り込み不足で散々な結果だった。それと比べてどれくらいのタイムで上れるのか確かめてみたかったのだが、今回は心拍や出力をベースに上りのペースを組み立てる練習をしておきたかったので、タイムアタックという意識は捨てて臨んだ。いつもならダンシングも織り交ぜながら加速して、少しでも速度とタイムを稼いでおこうと躍起になっていた序盤も心拍、出力(ゾーン)とにらめっこして過ごし、落ち着いた序盤となった。そして、前日の夜にみた「チャリダー★」の録画で、「暗峠」の登坂の序盤で「抑えて、抑えて・・・」と口にしながらペースを刻む”坂バカ”俳優・猪野学さんの姿を思い出していた。
このおかげなのか、序盤から中盤にかけ斜度が少し上がってキツくなってくる部分でも、これまでのように息も上がらず、余裕を残して後半へ繋ぐことができていた。いつもなら、いつ脚を止めようかというのが頭をよぎる頃である。
今回は、とにかく心拍とゾーンだけを頼りに上った。心拍は165bpm付近キープ。後半は終盤へ向け徐々に上げていった。ちなみに今の最高心拍は183bpm。終盤には90%を越え、175以上まで上がっていた。出力の方は心拍の様子を見ながらパワー・ゾーンでのL5.5前後をなるべくキープするところから始まり、L6、L6.5と徐々に上げていった。
結果、中盤のキツイ部分を抜け、斜度が少し落ち着くトンネル手前に至ってもなんか余裕アリ。もちろん、きつくないわけはないのだが、いつもようにイッパイイッパイ感は感じていないのである。いつもなら、「あ〜、もう、早く終わって欲しい!」という感じで、「終盤もたいしてペースアップできないな、むしろダレてもう終わっちゃうかも」という感じだった。今回は、「このペースならもう少しいけるはず」という感覚を持って終盤につなげることができた。
ペースをつかむためとはいえ、余力を残しすぎてこの峠を終えることはできない。終盤に向けては徐々に上げていって、最後はソコソコ追い込めたのではないかと、満足感を得て終了できた。
タイムは、もちろんベストではないが、昨年のこの時期からすれば段違いのタイムだったと思われる。まあ、それを見て知ったのは帰宅後STRAVAのデータを見てからなのだが、走った直後の感覚でも、昨年のグダグダに比べて、決して悪い感じではないという印象を持った。冬場、多いとは言えないが、少なくとも昨年に比べては増えたローラー練、そしてパワーメーターを根拠としたトレーニングが功を奏したのだろうか。だとしたら嬉しい。
この後は、折り返して帰宅の途に就くのみである。
しかし、そこは「坂練の朝」。
帰り道にもう少し寄り道をすることになるのであった。
長いので、後半は次に回します。