しまなみ海道往復ソロ
8月15日(土)。
ちょうどいいことに,相方ちゃんとムスメちゃんは午前中から映画を見に行くということになった。しかも,弟家族とともに。つまりそれは,ほぼ一日フリーで使える時間が確保できるということ。映画を見てから昼食をいっしょに済ませて帰宅,ということになっても15時くらいの帰宅になるだろう。しかも夜には飲み会の送り迎えがあるので,最悪それまでに家にいればいいということになる。
となると,距離を走りたい。
そう思って,チネくんとジャイアントさんに連絡を入れてみた。しかしチネくんは昼前から用事があり,そこまでには帰らなくてはならないので時間が合わない。ジャイアントさんも用事があり,その日の出走は無理ということだった。
仕方ないのでお友達の少ない私は,「ソロ」でしまなみ往復をすることにした。
出発予定は9時だったが,それから出ても夕方までには帰ってこられるだろうという考えで。
準備をして,9時10分に出発した。
今回のテーマは,
「前半を抑えてできるだけイーブンペースで往復175kmを走り切ること」
そして,
「少ない出力でスピードを維持しての巡航に挑戦」
ということだった。
これまでのしまなみ往復では,ついつい前半で飛ばし過ぎてしまい,後半ヘタレてしまっていた。帰路の後半ではヘロヘロになって,行きの倍くらい休憩も入れなくては無事に帰りつけないくらいの疲労感を覚えていた。
それを,今回は克服したい。そう思った。
幸いVECTORがあるので,客観的な出力の数値でペースを管理することにした。というかこれまでも試みたことはあったが,つい向島の海沿いのルートでの気持ちよさに流され,そこでペースアップをしてしまっていた。ついでに因島に渡ってからの下りでも速度を維持しようと無駄に踏んで・・・。
そんなことを繰り返していたので,今回は厳に,ペースを押さえて走ることにした。
具体的には,L2のゾーンメインで,上りなどではL3ゾーン後半~L4にちょっとかかるあたりで抑えることに。もちろん,勾配がきつくなればL5やL6に入ってしまうこともあるが,気づけばそのまま踏み続けることはせず,ギアを落とすなどの対策をしてペース維持に努めた。
向島でも,なんとか踏まずにガマン。そして因島に入ってからもガマン。目標通りのゾーンでのライドができていたと思う。その分,いつもなら必ずと言っていいほど休憩に入る因島のコンビニはスルーし,そのまま大三島まで無休憩でたどり着いた。
ただ,天気は良い。雲もあるが太陽は照り付けてくる。なので,水分補給にだけは気を使った。あらかじめボトルの水にサプリ(熱中症対策の)を投入しておいたものを10分~15分おきにふたくち程度ずつ補給した。ちょうどそのボトルがなくなるころ,大三島に到着したので,ボトルの補給のため休憩を入れることにした。
そこでもこれまでとは違った注意をした。これまでは,水分がぶ飲みで,お腹タプタプになってまた走り出していたが,そこでの水分補給はほどほどに抑えた。
ついでに補給食について触れておく。
前の晩に,お盆の法事宴会があり,少々飲みすぎて食べ過ぎた感があったので,朝食は摂らずに出発した。その代りと言っては何だが,出発直前にVAAMを摂り,バックポケットにエネイドゼリーをひとつ入れておいた。大三島につく少し前に小腹がすいた感覚があったので,エネイドゼリーを半分ほど補給し,その後サンライズ糸山直前で残りを使い果たした。帰路の補給は因島のコンビニで,ウィダーインゼリーをふたつ摂っただけだった。
さて,大三島での休憩を終え,伯方島,大島と走っていった。
前半,体力が有り余っている頃にはあまり感じなかったが,少ない力でどれだけ効率よくスピードを乗せられるかがとても重要なことだと感じ始めていた。空気抵抗について考えてみたり,ペダリングの効率について考えてみたり・・・。どうやればいいのかなんてわからないが,疲れが溜まってくると,できることしかできなくなる。そこで大きくフォームを崩さないように意識すれば,仕方なしに効率の良い走りにしかならないのではないかと考え,とにかく疲れているからこそ,フォームを意識して走ることにした。
ただ,大島横断時の二つの上りの時には,ペースを考えることはできなかった。早く折り返し地点となるサンライズ糸山へ行きたい!という思いが先行し,けっこう踏み加減で上った覚えがある。そして,来島海峡大橋を渡り,折り返し点へ。
ここでも最小限の休憩にとどめ,すぐに折り返した。
いつもなら,「カツカレードリア」を食べているところである。
しかし,今回は不思議とそんなに空腹感は感じていなかったので,「カツカレードリア」はスルーして引き返した。脚に疲れは出てきている。それは往路後半から感じていたコト。ペース的には今のペースならそう苦しまずに戻れそうだ。そう思いながら来島海峡大橋への上りアプローチを上っていると,なんかすごいペースで上りの螺旋を駆けあがってきている一台の自転車が目に入った。「うわ! はや!」そう思って自分のペースを確認した。もう少しペースアップできるかも。この日はここまで,ひとを抜くことはあっても,休憩中にスルーされてるのは別として抜かれることはなかった。
勢いよく駆け上がってくるその人を見たとき,ペースを上げなければ確実に追いつかれそうな勢いを感じた。そのときできれば,抑えながらのペースであっても,だれにも抜かれることなく走り切ることができた,という『勲章』が欲しくなった。
そこで,ペースアップの決断をしたのだった。といってもまだ残りは半分あるので,L2~L3でキープしていたところを,L3メインでたまにL4もやむなし,という感じのペースアップだった。
そうしてみたところ,感じていた疲れに対して,思ったよりも脚は残っていそうな感覚を覚えた。前半抑えたのが効いているみたい。
後ろを振り返っては近づいてこないか確認しながら大島へ渡り,二つの上りも,多分往路で走ったときと変わらないペースでクリアした。伯方島を抜け,大三島へ入ってからの海沿いの平坦路でも,多分往きとそう変わらないスピードで走ることができていたと思う。
ここで,この日三回目の休憩。
ここまでの休憩の回数はこれまでとそう変わりはない。因島をスルーしたので,その分が少ないだけだった。
問題はこの後。これまでだと,因島で一回。向島か尾道あたりで一回。神村のコンビニで一回。最悪,自宅のある団地入り口の自販機で一回。もう休憩三昧といった状況になっていた。そうでないと自宅へたどり着けない・・・。
この日はどうなるだろうか。。。
そう思いながら,大三島を出発した。
瀬戸田を抜け,因島へ。
因島のコンビニでは大事をとって休憩を入れた。先にも書いたが,ここまでで補給(食)は走りながらのエネイドゼリーだけだったので,少し小腹がすいてきていたためである。ここでウィダーインゼリーを二つほど補給して休憩した。再度出発。
来島海峡大橋から気になっていた追走(そんなつもりはないだろうが)はとくに気配は感じなかった。
再び走り出す。集中力が途切れそうになると,ちょうどいい頃に前方に自転車の影が見え,それを抜くことで集中力とペースを維持することができた。
脚は持っている。
これまでの復路と大違いである。たぶん往路よりもペースは速いかもしれない,そう感じられた。「意識」もまどろんだ感じは全くなく,クリアー。
始終そんな感じで,テンションも維持したまま,結局自宅まで走り切ることができた。
9:10 自宅発
12:40 サンライズ糸山着
17:05 自宅着
7時間55分を要した旅だった。
今回学んだこと!
やっぱペース配分で後半がまるで違うな!
ということ。。。