Daily Sketch with...

ロードバイク、スキー、キャンプ、写真が好きなオッサンブログです。家族で楽しんでます。

ELITE REAL TURBO MUINをしばらく使ってみた

 

f:id:yPhonist:20160121173457j:plain

昨年末に購入し,今年に入ってから何度か使用してきた ELITE REAL TURBO MUIN。結構感触がわかってきたので,どんな感じなのかご報告。

ELITE REAL TURBO MUIN

まずは,「REAL TURBO MUIN」とは何なのか,というところから。

コイツは,イタリアメーカーのELITEというところから発売されている,ダイレクト・ドライブ方式のスマートトレーナーと言われる類のもの。

ローラーといえば,三本ローラー,固定ローラー等あるが,コイツは後輪をはずして,トレーナーの方につけてあるスプロケットにチェーンを通して固定するダイレクトドライブと言われる方式。タイヤがこすれる音がしないので静からしい。「らしい」と言わざるを得ないのは,私の場合,Q-RINGSを使っているため,もともとけっこう騒々しいため,静かになったのかどうかわかんないから。でも確かにタイヤがないからソコがこすれる音はもちろんしない。だから発生している音は減っているんだろうな,といった程度。もちろん,タイヤを使っていないのだから,擦り減らないしカスも出ない。

スマートトレーナー

そして,スマートトレーナーとは・・・。

通常のトレーナーの場合,負荷が変更できても自分でダイヤル操作をするなどして切り替えなければならない。これまで使っていた固定ローラーLR760も13段階の負荷を調整でき,自分で作ったりダウンロードしたりしたデータを使ってコース・シミュレーションのようなことはできるが,その際の負荷調整は500m刻みで,もちろん負荷の変更は手動となっていた。

それが,スマート・トレーナーとなると,データ上の勾配に合わせての負荷変化が自動で行われるのである。しかも,けっこう細かく。勾配が増せば負荷が上がり,下がれば負荷が減っていく。MUINの場合は18%の傾斜あたりまで再現できるんだとか。

なもんで,ZWIFTでコイツを使うと,効果てきめん!

ZWIFT内のコースを走行中の勾配が自動で再現されるということになる。これは便利。というか,「ZWIFTに入り込めちゃう」。そんな代物なのである。

使った感じ

で,しばらく使ってみたのでその感触を。

本体の電源を入れ,ZWIFTを起動してペアリングし走り出す準備をすると,「うぃ~ん・・・・・」と言う音とともに REAL TURBO MUIN の負荷がリセットされる。最初はくそ重くて回すのに結構な力が必要だったペダル。しかしZWIFTとつないだところで,その感触は軽くなった。

それもそのはず?

コースの走り始めが,やや下り勾配になっていた。REAL TURBO MUIN では下り勾配の再現(モーター等によるアシストなど)はできない。たぶん負荷が一番小さい状態を作って,あとはソフト上で調整するんだろう。だから,この時の走り出しは「負荷なし」の状態。

走り始めてからしばらくすると,本体から「うぃん,うぃ,,うぃん,,うぃうぃ・・・」とかっていう音がしてきた。はじめは気づかなかったが,ちょっとすると徐々にペダルを踏む脚への負荷が大きくなってくるのが感じられた。そして,しばらくすると軽くなる。画面右上のコースプロファイルの表示を見ると,確かに少し勾配が上がって,その後また勾配が緩くなっていた。当たり前だけど,勾配の変化を「再現」していたんだな,とわかった。

またしばらく走っていくと,明らかな上りに突入。斜度も5%,7%,一部分10%なんていう数字まで表示されていた。ZWIFT内のWatopiaコースのヒルクライム・タイムトライアルの区間である。タイムは気にせず,斜度の再現がどうなのかということに意識を集中して走ってみた。走っている場面表示では分かりにくい斜度の変化が,負荷の変化で脚に伝わってくる。画面右上の斜度表示で確認すると,確かにそのように斜度が微妙に変化しているようだ。ただ感触として,斜度の値の変化が脚に感じられるようになるのには,若干だがタイムラグもあるように感じられた。まあ,それは仕方ないか。

これまでの経験から,斜度と速度,そして脚にかかる負荷の感じを思い出してみた。何度か上ってきている「四川ダム」のヒルクライムコースのことを思い起こした。これくらいの斜度なら,あの時の速度はだいたいこれくらいだった,という感じで頭の中で比較しながら脚を回すと,なんとなく似た感触を得られていることに気づいた。もちろん人間の感覚の部分なのであいまいには違いないのだが,うまいこと再現されているんだな,というのがその時に感じた感触だった。

こんな感じで,数周。私の場合,1時間ちょっと回すことが多い。距離(ZWIFT上での)にして30km~40km程度。その間,上りのあるコース選択だと,思ったよりも心拍は上がる。単純なローラー練だけの場合,そこまではなかなか上げられない。ヘタレだから。だけど,ZWIFT+REAL TUEBO MUIN では実装に近いせいか,上りの負荷がかかったところでは心拍はしっかり上がる。普通にタイムアタックした時には,きちんと最大心拍数付近まで上げることができていた。通常のローラーでそこまで上げようとすると,負荷を重く調整して,「上げるぞ~!」と鼻息を荒くして踏み込むものの,その負荷が続けられず,最大心拍数の90%を越えたあたりで力尽きてしまう。ええヘタレですから。

ZWIFT+スマート・トレーナーならではの悩み?

結論として,ZWIFT+REAL TUEBO MUIN,この組み合わせは私にとっては大成功。思うように走りに出かけることができない,特に冬場,室内でのローラー練に最大限に力を発揮してくれている。

しかし一方で,この「ZWIFT+スマート・トレーナー」ならではの悩みも感じている。

いや,悩みというほどのことでもないし,そこのところを上手くいなす楽しみもあるともいえるのだが。

それは,

「ZWIFTの世界に身を投じた瞬間,バーチャルな実走世界に入り込んでしまい,ついつい抑えて走ることを忘れてしまう。決して飛ばしまくってしまう,ということではないが,なかなか自分の思ったペースで走ることができないのである。」

ということ。

その理由は以下の通り。

一定の出力を維持しにくい

実走と同様,斜度変化による負荷の変化があるためで,仕方ないことなのはわかっている。もう少し慣れれば負荷に対応して出力もある程度一定にキープしながら走ることもできるのだろうと思う。

一方で,ワークアウトモードでは,負荷の変化は手動になり,一定負荷で出力を安定させやすい。手動での負荷調整のみ対応のローラーと同様ということで,出力の値と勾配との計算によってスピードが変わってくる。

ならば,こちらのモードを使えばいいだけの話なのだが,それでは REAL TURBO MUIN を購入した意味がない・・・。という自己矛盾ループに陥ってしまって終わる。

それだけ実装に近い感じで楽しめている,ということで,あとは慣れようと思う。

人について行こうとしてしまう

単独で楽に流そうとスタートしても,ついつい近いペースの人がいるとついて行ってしまう。そのペースに合わせるのにスピードの上げ下げを繰り返して四苦八苦。

ZWIFTでひととペースを合わせて走るのはなかなか難しいものである。

それはZWIFTの仕様として仕方ない部分もあるが,相手がスマート・トレーナーなのかそうでないのかによってもその難易度は変わる。スマート・トレーナーであれば,自然と上りでは負荷が増すことによって出力も高めとなるし,下りでは負荷がない分出力も低くて済む。それに対し,通常のトレーナーでは,斜度の変化はあっても,意図していれば出力はそんなに変わらないことになる。なぜなら出てきた出力と勾配の関係からスピードが計算されて出てくるから。なので,上りになると,こちらの出力が高めになり下りになると低くなるため,そのあたりでペースを合わせることが難しくなる。出力一定にキープできる力量がこちらにあればいいのだが,まだまだそこまでは行けそうにない。

それでも,せっかくのZWIFTという仮想世界なので,ひとがいればついて行きたくなってしまう。とにかく「ソロ」を貫くのはけっこうな覚悟がいるのである。

せっかくだから周回を無駄にしたくないという気になってしまう

これはアップにもかかわること。正直,ZWIFTのためにアップをしておきたいと思ってしまうほど。ZWIFT内でアップをするには周回を無駄にしてしまう感じで,もったいなく思ってしまう。でもアップ無しでは前述のように,どうあってもはじめからきつめの行動に入ってしまってしんどい。レースなどのようにスタート直後のキツサに慣れるためと思ってしまえばいいのだろうが。とにかく,「軽め」にと思っても,ついついまわりのペースに翻弄され,人について行きたくなったりして苦労するのである。

こんなだから楽しいんだけども。

それは贅沢というもの?

ここまでくると,ZWIFT+REAL TURBO MUINは,特に冬場の実走しにくい時期にはホント重宝する。寒い時期にソロであれば「あえて外に走りに行きたい」なんて思わずに済む。それくらいの実力を持つ組合せなのだが,欲を言えば,斜度に合わせてバイクの傾斜も再現できれば最高なんだろうな。

って,まあ,それは贅沢というもの・・・。

いずれにしても,そもそもインドア派の私は,実走の距離は年間通しても減っていって,ローラー練が増えていくのではないかと予想される。

実走は暑くなく,寒くない快適なときにのい増えていくのだろう。これも贅沢といえば贅沢かな・・・?

純正のソフトは?

ところで,この製品には純正のアプリケーションがついてきていた。「REAL」というアプリケーション。これを使って,コンコーニテストとかできるのだそう。さらに,「REAL VIDEO]というのがあって,実写で撮影したコース映像に沿って走れるという機能もあるらしい。そして私が一番注目しているのが「My REAL VIDEO」。自分でコース走行時に撮影して,それをもとに映像を映しながらコースのシミュレーションができる。もちろんGPSのデータをいっしょに保存しておけば勾配の具合も負荷によって再現されるというもの。よく走るコースを撮影しておいてそれを使えば自宅でトレーニングできることになる。

残念ながらまだこちらの方は試していないが,実走を再開したらぜひこの機能は試してみたいと思っているところ。