慣れ親しんでいたはずの島で・・・
集合したのは大人5名、中学生1名、小学生2名の合計8名。もっと簡単に言えばふた家族プラス一人、という構成であった。予定通り先々週の実施であれば20名近くの参加があったらしいが。
ただ、のちのち、クラブの大御所も多数参加となると迷惑をかけてしまいかねない出来事にも見舞われたので、最終的にはこれくらいの家族行事的な規模で良かったな、という感じで終わることになった。
さて、行事に向けての準備であるが、前日の夜、ブラケットの角度調整と、清掃、バーテープ交換を行なっている。清掃はチェーンを外して、スプロケット、プーリーチェーリング等も丁寧に。そして汚れが目立ってきていたバーテープも交換した。バーテープは元に戻して、「トリコローレ」にした。
ただ、予備として購入していたものを使っただけで、次にはまた違うのに浮気すると思う。
ということで、当日の朝。私の機材は整備完了の VERENO RN に C35cl。ムスメちゃんは GIOS GENOVA。相方ちゃんは MINI Folding Bike という組み合わせで準備を進めた。
集合は尾道駅前の芝生公園付近。市役所の駐車場に車を置いて、そこから自転車に乗って駆け付けた。
すでに全員揃っていて、まずはこの日の予定のブリーフィング。
目標は瀬戸田で昼食。
男大人3名と、中学生男子1名は自走で。
女大人2名と、小学生女子2名はまずは高速船で因島重井東港へ移動し、そこで合流後、目的地を目指すことになった。
自走の4名はまずは渡船で向島に渡り、ユルユルと因島へ向かった。
ロードバイクは私一人であったため、ほんとにユルユル。私はLSDと割り切って、一定のペースを保って走ることを心がけた。
途中上りも少しあるが、そこでは、自分なりのテーマを決めてそこだけ意識するなど、せっかく走るのだから、その中で出来ることを楽しく取り組んだ。
ほどなくして、重井東港に到着。高速船もちょうど接岸したタイミングだった。
高速船に乗っていた女性陣もひとときの船旅を楽しんだ様子。笑顔で合流となった。合流後はコンビニを目的地として設定。この港からはそんなに距離はないが、うちのムスメちゃんもいるので多めに休憩を挟んで行くことにした。
このコンビニまではそんなに起伏もないので、ゆっくり会話を楽しみながら走っていればいつの間にか距離は稼ぐことができた。
しかしコンビニからはちょっとした丘を越えなくてはならない。その丘越えが少々心配である。
コンビニで軽く休憩&補給をして、出発した。
すぐに上りに・・・。
案の定、ムスメちゃんはダラダラ長い上りに辟易として、ペースも落ち始めた。うちの家族だけならゆっくりでも上り切らせるのだが、ほかにもメンバーがいる中ではやはりある程度のペースは維持したい。そう思って、後半はムスメちゃんの背中を押しながら上ることにした。ムスメちゃんは楽になって大喜び。私もこれで少しは負荷をかけて、上れるから一石二鳥ということになる。
坂を上り切り、下って、海沿いの道へ出た。その後は街中を通り過ぎて生口橋へのアプローチを上り、生口島へ渡る。
このアプローチでの上りでも、ムスメちゃんは明らかに背中を押してもらうのを前提で臨んでいるようだった。上りに差し掛かるとすぐに脚を止め、「ちょっと休憩」と。仕方ないのでまた背中を押した。今度は速度もある程度だし、前を行く人を追い越しながら。というか自分のペースで上らなければかえってキツイし、楽に上ろうとして軽いギアで速度を落とすとふらついてしまってかえって危ない。
こうやって上り切り、無事に生口橋を渡り切った。そして、芝生の展望広場で後続を待った。が、しばらくたっても相方ちゃんは来ない。
どうしたんだろう?
と心配していると、突然携帯が鳴った。
相方ちゃんから。
いやな予感・・・。
電話に出ると、
「自転車が壊れたあ!」
と相方ちゃんの元気のない声。
聞いているとチェーンがブラブラしているらしい。チェーン落ちかと思って引き返して様子を見てみた。
すると、単なるチェーン落ちなどではなく、リアディレイラーがプラプラと。再度組み付けようにも、パーツがポッキリイッテいる。まさしく「壊れて」しまっていたのだった。こうなっては走ることはできない。
どうするかと思案の結果、私は尾道まで戻り車で回収に戻ることに。一方相方ちゃんたちはとりあえず歩いて瀬戸田の街中を目指す。自転車屋さんがあれば修理できるかどうか尋ねてみる、ということにした。
そうなると回収車はできるだけ早く戻れる方がいい。
ということで、尾道までの約20kmちょいを、TTさながらに、できるだけ早く走り切って、車で戻ることになった。ここまでずっとLSD以下のペースで走っていただけだったので、いいトレーニングになる、と気持ちを切り替えて、ペダルを踏みぬいた。もちろん交通ルールは遵守だが、そもそもしまなみ海道の道に信号は少ない。4回くらい信号に引っかかったり、安全確認のため一時停止したりで、その他はあまりとまって足を着くこともなく、走りつづけた。そして生口橋から50分弱で尾道まで戻った。
到着後は息つく暇もなくバイクを積載し、車を出し、再度瀬戸田へ。なぜか車だと余計に時間がかかってしまっている錯覚に陥ってしまい、気持ちだけが焦った。途中で連絡を取ると、「ローストチキンは食べたい!」ということで、お店へ向かっているとのことだった。
瀬戸田につき、車を停めて、ローストチキンのお店へ合流。ローストチキンをいただきながら、その後の計画を話し合った。気持ち的には相方ちゃんとムスメちゃんを回収して、最終ゴールである尾道に戻ってみんなを待って解散、という運びでいい感じだった。しかし、ムスメちゃんは
「みんな(主に二つ上のおねえちゃん)といっしょがイイ!」
と言い、メンバーの中からは当然のように、
「で、yPhonistさんは自走で戻るよね?」
と聞かれ、
半ば強制的に帰りの態勢が決まってしまった。
アミティは相方ちゃんが運転。もちろんMINI積載で帰る。
私は自走で尾道まで。(さっき一度同じ道通って帰ったんだけど・・・)
ムスメちゃんは来る時の「女性陣4人ー相方ちゃん=3人」のメンバーで瀬戸田から高速船に乗って帰ることになった。
帰路は男性陣4名。
先頭は交代しつつも、7~8割がた私が牽くことになった。慣れというのは恐ろしいもので、普段走っているのよりも距離も短く負荷もかなり低かったため、かなり余裕でのクルージングだった。その他の人はそれなりで、やはり疲労の色は濃く見て取れた。
最後、向島の中での丘越えで自分のペースで各自走る区間があったが、その時についてきていたのは中学生。残り二人はかなり時間をおいて追いついてきた。さすが中学生は持っている体力の底が見えない。まだまだ走れそうな気配も感じられた。
そしてなんとか渡船へたどり着き、尾道駅前へ到着となった。相方ちゃんとムスメちゃんたちも無事合流しており、駅前渡船が尾道水道を渡っているときに私たちの姿を見つけ手を振ってくれた。
こんな感じで、トラブルにも見舞われ、ゆっくりペースと、ファストランペースが入り乱れたサイクリングは終わった。
BG Fit のおかげか、私自身の疲れはほとんど残っていない。まあ、概ねペースがLSD以下だったこともあるだろうが、それにしても上半身の力が抜けた感じもあり、首や肩、背中のこわばりはほとんど感じずに済んだ。
後日、相方ちゃんのMINIをショップへ持ち込み修理をお願いした。
「え、めずらしいですね!」
と店長。
多分パーツの交換が必要だと思われるが、S5を仕上げる方を優先していいからね!