②ケイデンスとトルクの狭間で・・・(20130916弓削島家族ツーリング)
二家族6人での弓削島ツーリングは、車を駐めてある因島土生港に到着した時点で無事終了したことになる。あとは車に自転車を積んで、無事に家までたどり着くだけのはずだった。
しかし、私とムスメちゃんの友だちのお父さん、H田パパと私は自走で帰ることにしていた。H田パパは、この週末前の一週間、ちょっと体調を崩していて、自転車に乗れていなかったらしいが、入浴中に「一緒に自走して帰りますか?」と誘ってみたところ、快くお付き合いいただくことになった。その代わり、と言ってはなんだが、私が全線牽く覚悟だった。
自転車に乗り始めてまだ間もないH田パパ。私も決して長いわけでもないが、最近牽いたり、牽いてもらったりということには慣れてきた。そして、牽いてもらう時のあの「楽々感」をぜひ味わってもらいたいと思ったのである。
各家族、ママとムスメの自転車を車に積み送り出したあと、私とH田パパの二人旅は始まった。
まずは、出発直後何も言わずに前を走り出した。もちろん、ハンドサインは必要に応じて出しながら。当然スピードも25km/h弱程度の巡行でスタートした。後ろの様子を時折見てみると、距離は当然開いている。自転車二台分くらい開けて続いていた。出だしは街中で、信号もあるし車の往来もそこそこある。なので、それぞれの乗り方で淡々と進んで行くのがいいと判断した。
しばらく走って車通りが少なくなってきた頃、信号で止まったついでに、自転車と自転車の距離、ハンドサインの詳細などについて簡単に説明し、徐々にスピードをあげていく旨伝えた。
そして再スタート。
25km/hから始まり、27km/h程度、そしてしばらくして30km/hでの巡行に入った。後ろを見ていると、時折距離は開きながらも基本的にはすぐ後ろで気配を感じることができた。そして、後半はかなり距離を詰めて一定の距離を保って後ろを走っていたように感じた。
そういえば、数年前まではモーターサイクルのレースに出ていたのだとか。さすがに人の後ろについて走る感覚は身についているのだな、と感心した。そんな風について行くことができるようになるまでに、私の場合数回かかった気がする。
最終的には30km/hオーバーでの平地巡行も入りながら、帰路を終えた。H田パパの感想は「楽だった・・・」。速度はそれほど出ていたわけではないにしても、向かい風が多かった島での道中、それが軽減されるだけでも楽だと思うし楽しいと思う。さらに後半はドラフティングの楽しさを十分に味わえる速度域に達することも多く、他人事ながら楽しそうだな、とちょっと嬉しくなったものである。
こうやって無事帰宅までの二人旅を楽しんだのだが、漠然とペダリングをしていたわけではない。今回のテーマはケイデンスとこまめなシフトチェンジ。平地であれば110rpm付近、上りでは90rpm以上をめどに、いつもよりも高めのケイデンスを心がけながら、特に平地では目標ケイデンスをキープできるようこまめにシフトチェンジをしながら走った。
ローラーを回し始めてから、110以上でのケイデンス維持は楽になったような気がする。意識せず回しているといつの間にか120rpmを超えてしまって、あわててシフトアップすることもしばしばあった。
そして上りでも、なるべく高ケイデンスでいけるようシフトチェンジのタイミングを工夫すると、これまでちょっと負荷を感じてきた坂も思ったよりも楽に、そしてスムーズに上ることができた。そして、ここ最近のトルクを多用した上りでのペダリングのおかげか、以前よりもトルクをかけながら回転を高めにキープできていたように感じられた。
そして、改めて考えざるを得なかった。上りはケイデンス重視か、トルク重視か・・・。今はトルク重視でいろいろ試そうとしている。そのおかげか回しながらもトルクを意識できた。今またケイデンス重視の上りに切り替えてみると違う感触を得ることができるかもしれない。
今回の結論。
ケイデンスかトルクかという部分は「重視」するかどうか、つまりその比率のバランスの上で語られなければならないということ。どちらかを切り捨ててしまって、一方だけで事足りるものではない。自分自身のコンディション、気分、坂のプロフィールによって、最適なバランスは刻一刻と変わるのではないか。なので、練習でもケイデンス重視とトルク重視の時期を繰り返すことで総合的に力をアップしていっておく必要があるのだと思う。
本来、こだわりの少ない私の性格。トルク重視に飽きたり、自分なりの限界を感じたりしたら、その時に魅力的に感じるケイデンス重視に何のプライドもなく切り替えられる得な性格ともいえる。その逆ももちろんあり。その性格を最大限発揮して、そろそろケイデンス重視に戻ってみるのもいい時期なのかもしれない。最近の走り方での四川のタイムの出方も停滞している感じだし・・・。