なんにせよ日々の積み重ねが大切なんだ
パワーメーター、GARMIN VECTOR導入後すでに1年半ほど。その間のVECTORの活用の場は、トレーニングと実走後の確認が主なものであった。先日行われた、「2016ミッドナイトエンデューロ」で初めて「レース中にパワーメーターあって良かった〜」と思える出来事があったのでメモしておく。
はじめの頃のVECTOR活用
はじめの頃は、実走では値を見ながら走ることはなかった。かなり値も揺らいでいるのでその瞬間その瞬間に見てもよくわからない。一定時間様子を見てれば傾向はつかめるかもしれないが、実走の時にそんなことしてると危ないし。なので実走については帰ってからだいたいの傾向を見るだけ。細かな分析はできないので。
そしてローラーの時に、ターゲットゾーンを設定してそこをねらって回す。ラップ平均を表示させておいて、その値をねらった出力に近づけるようにするとやりやすいというのには最近気づいた。ローラーなら安全に可能だし。
ここのところのVECTOR活用
出力のラップ平均を参照しながら走る方法に気づいてから、いろんな場面で目標出力を定めて走ってみる機会を増やした。ローラーはワークアウトとしてやるので当然として、最近は実走でも使い始めた。チラ見する中で平均値を見て、低ければもっと頑張る、高ければちょっと抑えるという具合に。特に上りの時にそれをやる。例えばしまなみを走っている時には、橋までのアプローチが必ず数分の上りとなっているので、そこで目標平均出力を決めて走りきるようにするとか。
こうすることで、ローラーでの出力キープと実走でのキープが段々と繋がってきた。
そのおかげか、レース(ミッドナイトエンデューロ)でも、出力値の傾向がわかるありがたさを感じられるようになってきた。
レースで感じたありがたさ
レースでの活用はこれまでほとんどなく、たまに出力を見ても、「あ〜、今それくらいの出力なんだ」くらいにしか感じることはなかった。もっぱら後で、これくらいの平均で走って、どう推移していってるのかをみるだけだった。
しかし今回のエンデューロでは、走行中にかなり役に立った。
例えば、キツイなと思った時、出力をチラ見して、
「これくらいならあと〇〇分、この上りの先の直線が終わるあたりまでは持つな、ワークアウトでも〇〇分くらいの実績はあったし。そこで先頭交代してもらおう」
などと、目安を立てることができた。
また、後方に下がった時には、
「これくらいならワークアウトでもレストとして設定している出力なので脚を少し回復させられるな」
とか、安心できる要素をイメージして、脚が疲れてきたからといってことさら、行き詰まってしまう感覚にとらわれることなく自分の周回数を完遂することができたのだった。
これはかなりありがたかった。
このような感じで値を見ることがなければ、どれだけ脚を使っていて、どれくらい休めばいいのか、などといったことがわからず、闇雲に走り回るだけになるところだった。
ただ、エンデューロというレース形式であったため、値をチラ見する余裕があったが、クリテやロードレースになるとそんな余裕もないのかもしれない。
日々の活用が大切だった!
上記のような感じで、今回のエンデューロで、値を見ながらレースの中で脚をマネジメントする有用性を感じることができたが、そのためにはただパワーメーターを導入すればいいということではない!というのは明らかなことだった。
今回ありがたく感じるに至るのに必要なことは日々の活用(日々のデータ)だった。
トレーニングとして行ってきた「〇〇W、〇〇分キープ」のワークアウト。トレーニングとして自分の体力を向上させるため、という側面は大きいのは間違いない。しかしそれに加えて、自分の実績値という側面もあり、それが今回生かされたということなのではなかろうか。
「〇〇W、〇〇分キープ」がローラーでできていれば、それと似たような数値が目に入ってきたときの目安になる。さらに「〇〇W、〇〇分キープ」のバリエーション(時間と出力の組み合わせの)が増えればいろんな状況での脚の消耗に「予測」が立つ。今回はその「予測」のおかげで自分にとってはやや速めのスピード域の集団についていくことができたと言ってもいいだろう。
ただパワーメーターを導入しただけでは値を参照して、こうだったんだな、という見方しかできない。そこに日常で活用した時のデータの蓄積をしていくことで、よりアクティブにパワーメーターを役に立てることができるのだと感じた。
次のレースまでに、予想される時間と出力の平均の組み合わせをいくつか試しておこうと考えている。予想するのは過去のデータを参照すればいい。
パワーメーター導入から1年半ほど。「前回の走行データ」を参照できる期間には入っている。さらなる「活用」を目指して、 今日もハムスター活動(通称:ハムカツ)をがんばるのであった!