FTPの値を上方修正する
GARMIN VECTORを導入したのが,昨年末。つまり2014年の12月末。それから約半年が過ぎた。VECTORパワーメーターを使ったパワー・トレーニングの効果はあったのか?
そんな疑問点を今回は検証してみたい。
これまでのFTPの推移
VECTORの導入は,実は苦渋の選択だった。そもそもスピードプレイを気に入っていたもので。それでも,ただでさえスキーシーズンということもあり,実走も少なくローラーも少なくなっていくであろう冬を何とか乗り切るために,モチベーションを上げたいという思いから,思い切ってVECTORの導入を果たした。
そして,導入したからには何とか効果を求めたい。まずは自分の変化が客観的にわかるように,とFTPの測定からとりかかった。
まずはその以前のデータからのFTPの推移を・・・。
はじめに測定してみた「FTP≒LT」は217W(2013年10月24日)。この時にはPowerCalを使用した。
VECTOR導入直後のFTP
そして時間はあいて,2015年1月3日の測定では・・・,実測200W(STRAVA予想では205W)。ここでは直前の年末に導入したVECTORを使用してのはじめての測定となった。
しかしその後,「四川sim」を実施。
この時には感覚的に217WというFTP値に違和感を持ちはじめていた。この値を元にしたトレーニングでも,感覚的に「少し楽め」に感じられていたためである。原因は追い込み不足か,PowerCalの値が低すぎたか。それを確かめるべく,追い込みやすい「四川sim」で試してみたのである。
結果,FTP値は230W(1月20日)。そしてその値は感覚的には妥当なように感じられた。原因はやはり追い込み不足だったようで,ワークアウトを組んでそのメニューにのっとって実施するのでは追い込めない性格なのだな,とあらためて思う。なんせ,自分に甘いもので。
そしてつい先日,VECTOR導入の約半年後に再び「四川sim」に挑んだ。かなり間があいてのFTPのテストとなった。「四川sim」って,ローラーでやるから楽に思ってしまうが,実際には負荷が実走並にかかるので,体力的な負担はそれなりにある。冬場はスキーがメインになるし,年度明けからは仕事が忙しかったというのが理由のひとつで間があいてしまった。そしてもう一つの理由は,「やるなら成長していたい!」という強い思いがあったからだった。そろそろ確実に値は上がっているだろう,という頃合いを見計らっていたのだった。
この時のFTP値は240W(2015年6月6日)。実測値の20分の平均出力は244Wだったのだが,あまり上がってもその後のトレーニング負荷がアレだし,そもそも,FTP測定のための20分タイムトライアル前の手続きをしていないので,少し削って,この値にした。
私のFTP測定の方法
今回も前回同様,測定方法を「四川sim」にした。そして,これからもしばらくは「四川sim」をFTP測定の手段として活用しようと思っている。
理由は,「お手軽」ということと「追い込みやすい」ということ。ヒルクライムをシミュレートした負荷をかけながら,一定区間のTTを実施できる。TTで追い込むとなると,それまでのベストを目指して追い込んでいくことになる。また,あくまでも固定ローラーを使ってできるので,セットだけしてあればお手軽にできるというわけだ。
FTP測定のタイミング
FTP測定のタイミングについては,あまり深く考えていない。定期的にテストできればいいが,負担も大きいし・・・。できれば,確実に成長した値を目にしたいものである。そこで私は,その他のアプリやソフトを使って「テストの頃合い」を見計らっている。
そのアプリやソフトは,「STRAVA」であったり,「More Power !」であったり,「GOLDEN CHEETHA」であったり。それぞれにライドデータを取り込むと,自動でFTPを計算してくれる機能がる。もちろんそれぞれに値はバラバラなのだが,「More Power !」や「GOLDEN CHEETHA」だと自分の計算と近い値が出ている傾向がある。
前者の方は想定した値からそのまま計算したFTPに近い値。後者の方は事前の手続きをしていないのを考慮に入れた値にそれぞれかなり近い。
「STRAVA」だとここ最近の私のFTPは271Wとかになっている(笑)。あてになるものではないが,ちょっとうれしいので,たまに見て「ホントはこっちだったりしてね・・・」とか楽しんでいる。
こんな感じで各ライドデータを取り込んでいると,ときたま高めの負荷で走ったものの中で,FTP値が更新されていることがある。もちろんその逆で,結構きつかったはずなのにFTPは低かったりということもある。これらの値を参考にして,全般的に上がってきたな,と感じられたときに「四川sim」でテストしてみる。ちょうど先日の「四川sim」がそのタイミングだった。
GARMIN VECTORの効果は?
導入直後に感じた「心理的効果」
以前VECTORの導入直後に,その効果についてこんなことを書いた。
「GARMIN VECTORの効果とは?」それは、「値の一貫性」と「根拠」によるモチベーション維持のしやすさなのではないかと感じた。
その思いは今もまったく変わっていない。明らかにこのような心理的効果はある,と言い切りたい。
GARMIN VECTORの効果
では,速く走るため「VECTORの効果はあったの?」と聞かれるとどうだろう。
結果的には,値としては上がっているので,「あった」ということにはなる。しかしそれは,VECTORがあるだけで「値が上がった」ということではなく,VECTORがあるおかげでモチベーションが上がり,その結果「値が上がった」というのがわかった,というだけなのである。
いいかえれば,VECTOR(パワーメーター)はなくても速くはなれる。きちんとトレーニングさえすれば。特に私のような素人なら,科学的な根拠などなくてもある程度負荷をかけて走り続けていれば,ちょっとずつ速くなれるのだろうと思う。
しかし,そこは趣味としてのスポーツ。
ただ漫然と走ってたら,ちょっと速くなった感じがする。ではなんだか味気ないし,この調子で次のレースまで続けよう,とはならない。少なくとも私の場合は。
トレーニングやライドごとに,「目的に合った負荷がかかっているかな?」「今日は平均値としてはいい感じの値が出てるな」「なんかよくわかんないけどいろんなデータが入ってて楽しいな」とかあとでニヤニヤしながら見るのが楽しかったりする。要は,トレーニングもライドもそのための材料集めという側面も見えてくる。
こうしてみると,「効果」としては「心理的」な面がかなりを占めてくるのだと思われる。特に私のような自分に甘い人間には。
データをとってきて半年(やっと電池も交換)
半年かけてやっと10W。
またもや「W」が「ワット」ではなく「笑」に見えてしまいそうだが,ここのところの実感もあるにはあった。ここ数週間は重いギアを回すのを意識していたが,クルクル回すのを意識していた時と比べて,「踏める」感じが強くなってきたような気がする。そして自分にとっての燃費も割といいのでは?,と思えるのである。
数値的な裏付けはまだないが,しばらくデータを集めるとその違いが分かるかもしれないと思っている。
人それぞれの筋肉の質,身体つき,指向性や好みによって,最適となるポジションやケイデンスは違ってくる。そのあたりを探っていくのもVECTORが与えてくれる楽しみのひとつなのだろう。
そんなことをやっているうちに,VECTORの電池が切れた。ついでにDi2も。Di2は充電すればいいのだが,VECTORは電池が必要となる。さらにはGARMINのセンサーもそろそろ替え時かもしれない。いろいろな機材で楽しく便利になる一方で,なんだかやけに「電池」とか「バッテリー」に気を使わされるようになったな,と感じている今日この頃である。
FTPを上方修正した以上・・・
さて,FTPを上方修正したということは,いろんなもののセッティングを変更しなくてはならなくなる。
- Edge510
- Edge1000J
- STRAVA
- Connect
これらのFTPの設定を変更しなくてはならない。それによって「ゾーン」の値が変わってくるのだ。Connectはサイコンの方を変更すればいいだけなのだが,ワークアウトの設定で目標出力を直接入力しているものがあるので,それらを変更しなくてはならず,結構手間である。
FTPが上がるのはいいことなのだけど,ちょっとめんどくさいな。
そして,次からのトレーニングがあまりきつくならないようにいのります。。。